2016.02・講座

 

  節気「雨水」のとおり、先日の雨も上がった2月21(日)、花の北市民広場に

  於いて、月例の刀剣講座を開催しました。

  通常とおり午前が「初級講座」、午後が「中級講座」の日程でした。

 

          

  

  ○初級講座(2月)

 

   今月の講座内容は、先月に続き「刀姿の変遷」になりました。

   先月と同様の内容で、テキストを変更(解り易く)しての学習になりました。

 

   刀姿は、刀が製作された時代の戦闘方式、社会の世相、人々の感情等により、

   大きく変わっています。

 

   その特徴は、寸法であったり、身幅であったり、鋒であったり、

   反りであったり、重ねであったり、平肉であったりします。

 

   その特徴を把握して刀剣を鑑賞しますと、その時代を懸命に生きた先人たち

   の「思い」が語りかけくる様で、鑑賞の醍醐味が一層深まってきます。

 

   刀剣の鑑賞や鑑定の場合、「一に刀姿、二に地鉄、三に刃紋。」と言われます。

   それだけ「刀姿」は大切な見所です。

   時代背景から生まれた「刀姿」をしっかり学びましよう。

 

          

    受講の皆さん。
    受講の皆さん。

 

   講座内容:「刀姿の変遷(太刀・刀)」について

 

  ○太刀・刀

   第一期 鎌倉初期~・貴族文化の名残り。優雅、優美な姿。

             (長寸、細身、腰反り、小鋒、先端伏さる)

 

   第二期 鎌倉中期~・武家文化の隆盛で雄渾な姿。

             (身幅広く、元先の幅差小さく、猪首鋒、蛤刃)

 

   第三期 鎌倉末期~・元寇の経験を反映した姿。

             (①身幅広く、幅差小さく、鋒延び、反り稍浅い) 

             (②身幅尋常、幅差頃合い、中鋒、反り高い)

 

   第四期 南北朝期~・騒乱の世、威嚇するような豪放な姿。

             (長寸、身幅広く、幅差小さく、大鋒、重ね薄い)          

 

   第五期 室町初期~・貴族文化を目指した優雅な姿。 太刀から刀へ。

             (身幅尋常、幅差頃合い、中鋒、稍先反り、重ね厚い)

   

   第六期 室町末期~・戦国時代の実用重視、厳つい屈強な姿。

             (身幅広く、幅差小さく、中鋒、先反り、鎬地削ぐ)

 

 

 

 

   第七期 桃山時代~・鎌倉、南北朝を目標にした勇壮な姿。=「慶長新刀」

             (身幅広く、幅差小さく、中鋒延び、重ね厚い) 

 

   第八期 江戸初期~・剣術を重視した鋭利な姿。=「寛文新刀」

             (身幅尋常、幅差つき、中鋒詰り、反り浅い)   

 

   第九期 江戸中期~・天下泰平の世、大らかなで、伸びやかな姿。

             (身幅やや広く、幅差小さく、中鋒やや延び、反り付く) 

 

   第十期 江戸末期~・「復古刀」の気運による豪壮な姿。=「新々刀」

                 (身幅広く、幅差小さく、中鋒延び、反り浅く) 

             (鎬地狭く、平肉枯れる、手持ち重い)

 

 

 

 

   受講の方は、たいへん熱心で、熱い学習意欲が溢れていました。

         終了がなごり惜しい様な時間でした。 

   

   次回の学習は以下の予定です。

      1. 刀姿の変遷(短刀編:鎌倉末期~江戸末期)

      2. 街道と国        

 

  中級講座(2月)

   

   今月も、主要刀工(新刀編)の作風や特徴を学習しました。

   

       武蔵国:長曽祢派(虎徹・虎徹・興正)

           兼重派(和泉守兼重・上総介兼重) 

           法城寺派(近江守正弘・肥後守吉次) 

 

   受講の皆さん。
   受講の皆さん。

     長曽祢虎徹:「末関・兼定」に規範をおいた美濃伝を感じさせる作風。

            江戸焼出し、瓢箪刃、地蔵風の帽子が特徴です。      

    長曽祢虎徹。
    長曽祢虎徹。

      長曽祢乕徹:今までにない焼刃、帽子で新刀特伝の作風。

           江戸焼出し、数珠刃、玉垣刃、乕徹帽子が特徴です。          

   長曽祢乕徹
   長曽祢乕徹

     長曽祢興正:「乕徹」とよく似通った数珠刃の作風。

           物打ちのバサケ、数珠刃が2.2調子になるのが特徴です。

   長曽祢興正
   長曽祢興正

     和泉守兼重:①大阪新刀を思わせる直刃調の作風。

            寛永姿、深い匂口、頻りに入る金筋が特徴です。

 

           ②湾れ主調に、互の目をおく作風。

            はっきりした互の目の足が特徴です。            

   和泉守兼重①
   和泉守兼重①
   和泉守兼重②
   和泉守兼重②

     上総介兼重:「乕徹」とよく似通った数珠刃の作風。

           数珠刃が1.2調子になるのが特徴です。

     上総介兼重
     上総介兼重

     法城寺正弘:直刃仕立ての小模様な互の目を連れる作風。

           物打ち辺の二重刃、低い鎬筋が特徴です。

    法城寺正弘
    法城寺正弘

     法城寺吉次:直刃仕立ての互の目を連れる作風。

           力強い元禄姿と、頻りな金筋、沸筋が特徴です。

    法城寺吉次
    法城寺吉次

 

    いつもながら大変に熱心で、真剣で、そして和やかな講座になりました。

      楽しくて、時が過ぎるのを忘れてしまう様な三時間でした。

 

    次回の学習は以下の予定です。

       武蔵国=江戸石堂派・安定派

       陸奥国=三善派・国包派

 

         

  

  節気「雨水」も過ぎ、周囲の山々がいつの間にか桜鼠色に変わり、

  確かに春はすぐ其処まで来ています。  

  

  これから少しの間、不安定な気候の時節になります。

  ご健康には充分注意して頂き、次回も楽しい一日になります様願っています。

 

  次回の日程等は、「HPお知らせ」や「ご案内葉書」でお知らせ致します。

 

 

 

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炭焼き小屋の秋。  
炭焼き小屋の秋。  

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